買占めによる吊り上げ効果は?遊戯王投資を考える

「株」と比喩される遊戯王カード

2018年現在,遊戯王はバブル期に突入しています.初期カードを中心に,5年前ほど前と比べると2倍以上の価格まで高騰するケースが続出しています.

特に,通称「シクブル」や本物「BMG」は完美品だと100万円超えで売買されています.その他の初期カードや大会系カードは,軽く5万から10万円程度するのが当たり前になってしまいました.

遊戯王 暗黒の金曜日

2017年3月25日(土),新マスタールールが施行されました.

大恐慌の引き金となったのは,24日の金曜日ではありません.その前の週,平成29年3月17日(金)から遊戯王バブルの崩壊が始まりました.

新ルールの情報が広まったことで,遊戯王カードが「ただの紙切れ」になってしまい,翌日の18日(土)には多くのカードショップが買い取り見送りや停止の対応を取りました.

リーマンショックの引き金は,「証券」の本質を理解しようとしなかったことです.1929年10月24日「暗黒の木曜日」,10月29日「悲劇の火曜日」,世界恐慌の始まりでした.遊戯王界のバブル崩壊が金曜日から始まったので,ネット上では「暗黒の金曜日」の呼ばれるようになりました.

リーマンショックに関しては最近の出来事であり,「サブプライムローン問題」について勉強すると,ローンを借りる方の知識不足と,貸す側が「天使の姿をした悪魔」であったことが原因だと直ぐに分かります.

「恐慌」系について詳しくないですが,恐慌の兆候を指摘している人が必ずいるが相手にされず,どこかの段階で「プツッと」バランスを保っていた糸が切れ,それを忘れた頃に繰り返すということまでは理解できました.

投資対象としての遊戯王カード

遊戯王のシングルカードは,価格の変動が大きいです.ただし,基本的には「下げ幅」が大きいだけで,高騰するケースが少ないです.環境に合わないカードや禁止カードなどは価値が著しく落ち,高額カードであっても,再録や再販の影響を受けて下落する可能性があります.

その代わり,一発を当てると万馬券のように化けます.カード自体(紙)の原価は,数円から数十円だと思います.デザイン料や広告費なども含めると,もう少し高くなりますが.

市販のパックであれば,数万円が限界ですが,仮に1パックで当てて売れば,100倍以上になって還ってきます.限定カードに関しても,1000枚程度の希少度であれば1枚10万円も十分あり得ます.

しかし,それらの高額カードを入手するのは非常に困難です.お金儲けをするジャンルとしては,あまりオススメできません.

あくまで,お気に入りカードが後から市場での評価受けて,資産と呼ばれるようになることを期待するぐらいです.現金化しようと考えた場合,カードショップだと格安で買い取られ,オークションサイトで売ろうとしても相手が見つかるとは限りません.株式投資などの金融商品とは異なり,リアルなお金としての評価が難しいです.

遊戯王バブルの勝者と敗者

本ページでは,セラーの立場で儲けることを考えてみます.

2017年に倒産したカードショップ

2017年の新ルール登場で,遊戯王のシングル販売を中心にしていたカードショップが潰れたそうです.私は最近まで引退していたので,その当時の現実を知りません.

ところが,私が復帰した2018年の段階でも多くのカードショップが営業中です.つまり,弱者が先にライフをゼロにされ,強者が耐え忍んだ形です.ここで気になるのが,弱者が残した不良在庫ですね.おそらく,格安で市場に流通したはずです.

売り手は強者しか残っていません.そして,在庫を独占しています.勘の鋭い方は,この恐ろしさに気が付いたはずです.

私のように今から初期カードを購入したい場合,生き残った強者から高い在庫を買うしか選択肢が残されていません.遊戯王大恐慌があった今,新規でトレカを扱う業者はなかなか登場しません.また,起業しようとしても良質の中古品を仕入れるのが困難です.買い取り市場も既に寡占状態ですね.

速攻魔法「買い占め」による独占

業者の場合は,「買い占め」や「買い溜め」というより,「買い漁り」と「出し渋り」が適切だと思います.

中小の同業他社が遊戯王から手を引いた今であれば,残りの在庫を独占することが夢ではありません.初期カードの完備品や大会系カードなどは,そもそも数が少なく,世界で数枚から数十枚現存するかどうかというレベルです.

そのようなカードは,数万円から数巡万円で買い取ることになるので,小さな会社だと体力がなくて難しいです.仮に仕入れたとして,売れるまで何年かかるか分かりません.

仮に,超高額カードを何枚も入荷できたとします.周辺のお店では,そのような高額カードを扱えません.レアカードを売るならば,高額カードを高値で買い取るお店へ持ち込むからです.まさに,スパイラルですね.良質の商品を扱うお店には,高額カードを求めるお客と売りたいお客が集まるようになります.

高額カードを手放すことになっても,お店との信頼があれば,適切な価格で買い取ってくれるはずです.資産価値を保つためにも,信頼できるお店で購入&売りたいと考えるのが自然です.

2018年03月31日|京都高島屋限定100体の人形買占め問題

「ロリーナ」という女の子の人形で,1体12万4200円(税込み)もする高額商品を実質1人で買占め,独占するというトラブルが発生しました.この高級人形が限定3体や抽選10名などであれば,入手できないファンも諦めることができます.

しかし,今回は限定100体を1人で購入しました.100体分なので総額1000万円オーバーです.1人2体までの購入制限があったので,約50名の人員を用意しています.お国柄ドタキャンする人も含めれば,100名ほど用意していた可能性も考えられます.

「受け子」や「出し子」のような整理券要員にお金を渡して,他人の振りを貫かないのもある意味らしいですね.預かった現金を持って逃げてしまいますから.彼らにチームワークなど存在しません.

凄いのは,既に前金を受け取っている可能性が高いことです.限定100体を仕入れる予定で,出品しているのでしょう.

専占による「俺様プライス」

このように,1300万円ほど用意できる人であれば,市場価格をコントールすることが可能です.自分以外に販売できる人間がいないので,足下を見た商売が実現できます.

最近では,YouTuberが「買ってみたシリーズ」で100万や1000万円を普通に使います.この方法を応用すれば,遊戯王カードも独占することが不可能ではありません.ある1種類だけであれば,ネット上&実店舗の在庫を買占めても数千万円のお金があれば何とかなると思います.

実際に,1枚や数枚しか存在しない大会系カードは桁違いの価格で販売されています.さすがに数千万円するカードは販売目的ではなく,宣伝用だと思いますが.

例えば,World Championship2017(WCS2017)の来場記念カードを買い占める業者がいた場合,『ブラック・マジシャン・ガール』のホログラフィックレア,『青眼の亜白龍』のシークレットレアは1枚20万円という言い値になっても仕方がありません.手放す人の人数を考えた場合,1000枚を超えないと思うので1枚10万円だと想定しても,1億円あれば買えますし,実際は数千万円あれば十分だと思います.

極端な例ですが,1体10万円超えを100体買い占められる時代です.世の中にはヤバい人がいますし,『ブラック・マジシャン・ガール』が大好きな富豪がいてもおかしくありません.

投資対象としての遊戯王

普通の投資家は手を出さないと思います.高額な遊戯王カードに手を出すのは,カード専門店・コレクター・転売屋ぐらいです.資産価値として評価してもらうのも難しいので,素直に現金で持っておくか,他に投資した方が良いと思います.

2 件のコメント

  • ブラックマジシャンガールが好きな富豪・・・みさわのことかな?w
    彼は1枚100万円以上するブラックマジシャンガールのシークレットレアを無限回収すると宣言してますからね。
    私はブラックマジシャンガールの決闘者の栄光のシークレットレアとメモリアルディスクについてくる20thシークレットレアを無限回集中です。

    • コメントありがとうございます.

      お返事が遅くなり,申し訳ありません.
      YouTuber“みさわ”さんの影響もあり,私もブラックマジシャンガールを再度集め始めました.
      少しずつですが,ブラックマジシャンガールの収集を再開したいと思います.

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